旅の記憶を、暮らしの中にやさしく取り入れるヒント
- hbrackin
- 11 分前
- 読了時間: 5分
旅の途中で出会った雑貨たちは、見た目の美しさや可愛らしさ、珍しさ以上に、その時感じた空気や心の動きを閉じ込めてくれているような気がします。
だからこそ、飾るときもただ「置く」のではなく、ちょっとした工夫で、その記憶がふわっと浮かび上がるような飾り方ができたら素敵です。
今回は、旅で出会ったものたちを日々の空間にそっとなじませるヒントをいくつかご紹介します。どれが正解というわけではなく、自分らしさに合わせてぜひ工夫してみませんか?

ひとつを主役にする、という選び方
旅先で買ってきた雑貨をいくつも並べるのではなく、あえてひとつだけを飾ってみる。それだけで、そのものが持つ存在感や物語がぐっと引き立ちます。
シンプルな壁にフレームに入れたポストカードを飾ったり、小物を小さな棚に置いたり。空間の“余白”を意識すると、その魅力がより際立ちます。
クライアントさんが南仏で出会った小さなポスター。色がとても鮮やかで、南仏の空気が感じられますよね。どこにどのように飾ったら良いのか、しばらく悩んでいらしていたところ、ポスター色が映える白いフレームをご提案。ちょうど文字も白なので統一感が出ます。
大きさのバランスが合う広さの壁に飾ることに。リビングからもしっかり見え、空間全体をパッと明るくなりました。

同じ空気を感じるもの同士でまとめてみる
色や素材、テイストが近いものは、グループにして飾るのもひとつの方法です。整えすぎず、ラフに並べて少し“抜け感”をつくると、自然と空間になじみます。
旅先で見つけたものをまとめるというよりも、すでにお家にあるものにそっと添えることで、インテリアにも自然になじみます。
本やキャンドル、植物のディスプレイの中に静かに存在させると、ディスプレイコーナーに物語がひとつ加わったような雰囲気になります。
象の置物は、私の旅先で探す定番アイテム。その時に呼びかけられたような気持ちになるとついつい連れて帰りたくなります。
我が家にはたくさんありますが、「象の棚」をつくるのではなく、さまざまな場所に他のアイテムと一緒にさりげなく置いています。それぞれの表情に合わせて場所を選ぶのも、楽しみのひとつです。
「飾る」と「使う」の間で楽しむ
旅で見つけた器や布、小物たち。いざ持ち帰ると「使うのがもったいない」としまい込んでしまうこと、ありませんか?
それを「特別なもの」としてしまわず、暮らしの中でそっと使ってあげることで、その思い出が生きてくるように思います。

「もったいない」と感じる気持ちもわかりますが、実は使わないことの方が、もったいないのかもしれません。
大切にする気持ちと、使うことで感じる喜び。その両方があってこそ、長く付き合える気がします。
与論島で見つけた象のモチーフがついた箸入。シンプルですが、自分の中では「特別なもの」です。なので、毎日は使いませんが、お客様が来た時には必ず使っています。皆さんが「可愛い!」と喜んでくださり、カバセーションピースにもなるのがまた嬉しいことです。
旅先で出会ったものは、そんな楽しい会話とさらに新たな思い出となる良い時間を作るきっかけにもなります。

素材や質感に、その土地の空気を感じてみる
つい形や色に目が行きがちですが、手に触れたときのざらっとした感触や、織りのゆるさ、素朴な質感。そうした風合いが、実は一番、その土地の空気感を思い出させてくれるのかもしれません。
身につけるものやインテリアとして楽しむアイテムも、その素材の持つ表情が、さりげなくストーリーを語ってくれます。
私は海に行くと、ビーチに落ちている貝殻やシーグラス、小石を拾うのが好きです。見た目的なストーリーだけでなく、触れたときに感じる質感や重みが、部屋に与える雰囲気にも大きく関わっているように思います。

ふと目に入る場所に置く、というやさしさ
特別に飾るのではなく、日常の中でふと目に入る場所。玄関やベッドサイド、キッチンの棚などに置くことで、旅の思い出はより自然に暮らしと重なっていきます。
「あの時の…」と、何気ない瞬間に思い出せるのが、旅先で出会ったものの、いちばんの魅力かもしれません。
フィレンツェのポンテ・ヴェッキオの絵。土産店やミュージアム、路上でもよく売られているような風景画ですが、フレームに入れて、書斎の本棚の奥に立てかけています。
ものすごい存在感があるわけではありませんが、仕事の合間にふと横を向いたときに目に入り、フィレンツェで過ごした日々や、さまざまなエピソードを思い出します。
インテリアは、ただの「飾る」ではなく、感じたことや思い出と一緒に空間をつくっていくもの。旅の記憶は、その人らしさを映し出す大切なピースだと思います。
少しだけ視点を変えて、お部屋のどこかに旅のワンシーンを忍ばせてみてはいかがでしょう。きっと、自分らしい空間づくりのヒントになるはずです。
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